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第十一話 稽古の合間に

稽古の後、若い月影の忍が、汗を拭いながら凪に尋ねた。

「凪様。鬼面と、あの……禍とは、同じものにございますか」

「違う」

凪は短く答えた。それだけでは足りぬと思ったか、少し続けた。

「鬼面は、幽玄衆の先人が遺したもの。装着すれば、力を与えてくれる。友のようなものだ」

「では、禍は」

「禍は、外から来る。力など与えぬ。ただ喰らい、壊すだけのもの」

若い忍は、腑に落ちたようにうなずいた。

「では、鬼面は探して集め、禍は見つけ次第、討つと」

「その通りだ。……よく分かったな」

凪の口元が、僅かに緩んだ。珍しいことだった。

「凪様に稽古をつけていただいたおかげにございます」

「世辞はいらぬ。次だ、構えろ」

短くそう言うと、凪は再び木刀を構えた。若い忍も慌てて姿勢を正す。

夕暮れの稽古場に、木刀のぶつかる音だけが、しばらく響いていた。


次話へ続く。

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