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第二十話 その日、儀は崩れ落ちた

悲鳴が上がるより早く、黒い塊が、会場の四方から噴き上がった。数は、これまでで最も多い。

「儀式を狙ったか……!」

朧が叫び、刀を抜く。焔・紅椿もすぐさま応戦に入った。凪は見習いたちを庇いながら、糸を放つ。

「小夜、私の後ろへ!」
「は、はい!」

見習いたちを一箇所に集め、凪と焔が前に立ちはだかった。数の多さに、幹部・頭首総出でも押し切れない。会場は混乱の坩堝と化した。

その隙を、黒い塊の一つが縫った。

「――っ!!」

凪が気づいた時にはもう、遅かった。小夜が庇おうとした、もっと幼い見習いの盾になろうと、前に出てしまっていた。

塊が弾け、辺りに衝撃が走る。煙が晴れた後、そこに小夜の姿はなかった。ただ、小さな木刀だけが、地面に転がっていた。


次話へ続く。

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