※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

第二十一話 誓い

その夜、凪は稽古場に一人、座り込んでいた。小夜の木刀を、両手で握りしめたまま。

「……守れなかった」

「凪」

焔が、静かに歩み寄ってきた。フードの下、隻眼にも、隠しきれない痛みがあった。

「私が、あの子を指導係になどしなければ」
「どっちのせいでもねえよ。悪いのは、あの日儀式を狙った奴らだ」

焔は、凪の隣に腰を下ろした。

「省の連中か、禍そのものか知らねえが……あたしは、もう待てない。あの子の墓前で誓う。次は、あたしらが先に叩く」

凪は、木刀を強く握りしめた。

「私も、もう黙って見てはいられぬ」

二人は、しばらく無言だった。夜風だけが、二人の間を吹き抜けていく。

「小夜の分まで」凪が呟いた。
「ああ」焔が頷いた。

その夜、二人は静かに、しかし確かに、覚悟を決めた。


次話へ続く。

コメント

タイトルとURLをコピーしました