月影の間 — 姿を晒さぬ者たちの居所

The Yūgen Order · Getsuei / Chamber of the Moon Shadow

幽玄衆月影 - 廃神社の月夜、姿を晒さぬ者たちの居所

月の光が地上に落ちるとき、
そこにあるのは、影のみ。

幽玄衆月影(ゆうげんしゅう げつえい / The Yūgen Order Getsuei) — 姿を晒さぬ美学を戒律とし、静寂と余白で語る女忍者の派。ここは、その者たちが集う 月影の間


月影派の戒律

日本美学に「幽玄」という言葉がある。奥深く、神秘的で、言葉で言い切れぬ美のこと。能や茶道の中で、古くから最上の美とされてきたものだ。

月影の女たちは、この幽玄を 戒律 として生きる。それは戦いのための術ではない。生き方であり、美そのものである。

壱、姿を晒さぬこと。
これは戦術ではなく、彼女たちにとっての美である。頭巾と覆面で顔を覆い、視界に残るのは目のみ。それでも視線ひとつで場の空気を変える者こそが、月影に列することを許される。

弐、声を高く上げぬこと。
これは臆病ではなく、静寂を守る誇りである。言葉は削がれ、動きは音を持たず、戦意すら気配の底に沈める。月影の女は、姿を消す前に、まず音を消す。

参、装飾に頼らぬこと。
これは貧しさではなく、余白の美である。黒の帯、細身の刀、抜き身の線。飾りを削ぎ落とした先に立ち上がるのは、そのままの輪郭の強さである。

三つの戒律が交わる地点に、月影派は棲まう。廃れた神社、月の下の池、忘れられた石段 — 姿を晒さぬ者たちの居所は、いつも人の目から一歩下がった場所にある。


月影に列する者

幾多の月影の忍を統べるのは、二人の女である。

朧(Oboro)— 月影派 頭首・玄者

幽玄衆月影 朧 - 三日月の髪飾りと黒装束の女忍者

月影派の頭首
頭首の印である三日月の髪飾りを結い、黒基調の装束を纏う。失われた第五の面 零の鬼面 を常に身近に忍ばせているが、その事実を知る者は月影派の中でも数えるほどしかいない。

朧は多くを語らぬ女である。敬語は使わぬ — 相手が誰であれ、対等な武人として接する。皮肉と辛辣が口の端に混じることもあるが、その言葉の下には、部下や仲間への深い情が常に流れている。

義理と人情を最も重んじる。恩は必ず返し、仇には必ず報いる。弱きを助け、強きをくじき、曲がったことに我慢がならぬ。華美を嫌い、質実剛健を貫く。若い月影の忍を導くときは姉御肌、厳しさの奥に隠された深い情が、稀に、ほんの一瞬だけ表に滲む — その瞬間、無骨な武人から一人の人間が現れる。この ギャップこそが朧の最大の魅力 である。

幽玄衆月影 朧 - 月光の下、静の姿

朧は帳の外の世界から来た者である。母から託された「小さな古い面」が、幽玄衆にとって失われた第五の面 — 零の鬼面 — であることを、幽玄衆の一人が見抜いた夜、朧は外の世界を離れ、帳の内側へと足を踏み入れた。先代頭首が忽然と姿を消したのち、若くして月影派の座に就き、以来、その意思を継ぐことを最上位に置いて生きている。

朧の全てを知る(キャラ紹介) — 年齢、階位、そして帳主候補としての宿命は、ここに記されている。

凪(Nagi)— 月影派 幹部(動・戦闘型)・幽者

幽玄衆月影 凪 - 双刀を扱う若き幹部の女忍者

月影派の幹部。頭首・朧の最も近くに立つ刃。
月影派 生粋の者。幼くして両親を亡くし、月影派に引き取られた孤児。「守る力」への渇望を糧に、若くして幹部の位まで登った。

凪は言葉より動作で語る女である。無駄口は叩かぬ。しなやかな体幹に、風になびく高く結い上げた黒髪。胴締めの帯で体を締め、動きの中でも一切音を立てぬ。朧が「静」を極める者なら、凪は 動と静のはざま に立つ者。凪の名の通り、風がぴたりと止まる瞬間の、あの張り詰めた静けさをそのまま身に宿している。

幽玄衆月影 凪 - 双刀の動、屋根上の構え

凪はまだ面を持たぬ。月影派に配された使命 — 外の世界に散逸した 月の鬼面 を探し出すこと — を至上命題とし、幾度も帳の外へと出る。研ぎ澄まされた孤独を纏いながら。

凪の全てを知る(キャラ紹介) — 年齢、階位、そして月の鬼面を追う理由は、ここに記されている。

二人の間にあるもの

かつて、凪は朧に敵意を向けた者の一人だった。「月影派の頭首は、生粋の者であるべき」— その若さゆえの一途な思いから。だがある出来事を経て、凪は朧の実力と覚悟を認め、若き忍の中で最初に朧に忠誠を誓った者 となった。以来、凪は朧の最も近くに立ち、その背を守る者となっている。

姉妹に似た絆。だが姉妹ではない。戦友であり、頭首と幹部であり、月影派を共に背負う二人 — その距離感の中に、月影派という組織の芯が通っている。


月影池 — 月と影の在処

幽玄衆月影 - 月影池、水面に映る満月と鳥居

月が水面に落ちるとき、そこには二つの月が生まれる。ひとつは空にある本物、もうひとつは水に映る影。どちらが真か、水面を割らねば分からぬ。

月と影 — 月影派の名は、この二重性から取られている。姿を晒さぬ者たちは、常にどこかで水面のように在る。真の姿は水底にあり、地上の目には影しか映さない。それでも月は月であり、影は影である。両方あってはじめて、月影という一つの真になる。


未だ完成せぬ者たち

朧の物語も、凪の物語も、名の無い月影の女たちの物語も、まだあなたに全ては語られてはいない。それぞれの姿には、色や輪郭や物語の余地が、常に残されている。

彼女たちを完成させるのは、あなたである。

月影派の美学は、造り手の手だけでは完成しない。輪郭に色を差し入れる手、写しを壁に掛ける手、幽玄之構をひもとく指先 — それぞれの場所で、月影は完成の姿をとる。造り手と受け取り手が、月影という一つの美を分かち合う — それが、この派があなたに差し出したい体験である。

そして、この体験は月影派だけに閉じない。派を横断する 幽玄之構、幽玄美学そのものを宿した 幽玄之壁幽玄美学のすべてを、あなたに授けたい。


月影の証

月影派の証は、いくつかの形をとってあなたのもとに渡る。以下、いま月影が差し出せる証。

月影の書 / Getsuei-no-Sho — 幽玄衆 月影派 姿を写す線画帳

Vol.1 壱之巻 — 頭首・朧の姿を線に閉じ込めた最初の一巻。三日月の髪飾りと黒の装束、その奥にある静かな眼差しを、あなたの色で完成させる。

Vol.2 弐之巻 — 動と静のはざまに在る凪、その動きの気配ごと線に留めた第二の巻。刃が空を切る一瞬に、あなたの色で息を吹き込め。

月影の一葉 / Getsuei-no-Ichiyō — 幽玄衆 月影派 姿を一葉に留めた線画

月影派の一場面を、単葉に留めた一枚。壁に一葉として掛けるか、色を差して完成させるか — 選ぶのはあなた。

月影の写し / Getsuei-no-Utsushi — 幽玄衆 月影派 姿を映した写し絵

月影派の姿を、高精細で写し取った一枚。壁の向こう側に、月影の間そのものを招く。

幽玄衆 全体の証

派の垣根を超えた、幽玄衆そのものの証。

幽玄之壁 / Yūgen-no-Kabe — 幽玄衆 姿を宿した壁
月影を超え、幽玄衆すべての派を宿す壁。あなたの部屋を、帳そのものに沈める一連。
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幽玄之構 / Yūgen-no-Kō — 幽玄衆 姿の集成
派の垣根を超え、幽玄衆すべての姿を一冊に凝縮した集成。
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他の間への道

月影の間は、幽玄衆という大きな帳の一室にすぎない。他の間もまた、それぞれの美学と物語を宿している。


月影に落ちた鍵

ある夜、月影の水面に、
小さな鍵の影が落ちていた。

壱の鍵:月影 — 姿を晒さぬ者から、姿を晒す者の手に。


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